短編小説「これも何かの縁」、本編ではとりあえず最終章に入ってます。
その50編目、51編目についての、あとがき的なエッセイ。

50編目「それぞれの道4・郷田浩」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2017-03-24-1
51編目「それぞれの道5・沢田文雄」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2017-03-25

高校時代、郷田浩はヤンチャないじめっ子、沢田文雄はオタクないじめられっ子だったわけだけど・・・

こんなツイートを見つけた。
https://twitter.com/yami_miru_otoko/status/845253196993912833より

たしかに・・・
世間って、昔、ワル=ヤンチャしていて、今はそこそこ真面目にやっている人は評価されるけど、そのヤンチャにいじめられ、心を傷つけられ、未だ立ち直れず引きこもっていたりする被害者には冷たかったりする。ややもすれば、いじめられた方にも原因があるのでは、と思われたり。

世間の本音のところでの評価はこうだ。
いじめっ子なヤンチャ>いじめられっ子なオタク

なので人権にうるさいはずのリベサヨ朝日新聞が持ちあげる上野千鶴子氏は堂々と「オタクは滅びっていってほしい」と発言できるのじゃ。

それだけオタクは嫌われているし、いじめられても仕方ない、いじめられたくなきゃオタクをやめろ、オタクを治せ、と世間は思っている。

そう、これは、高校時代に郷田が沢田にやっていたことだ。

※この話についてはこちらをどうぞ。
「風のない日の鯉のぼり」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2017-02-02

※大人になってからの沢田VS郷田の話はこちらでどうぞ。
「同窓会」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2017-03-01


話を元に戻そう。

ネットではオタクは元気だが、やっぱりマイノリティなのだ。

なので、物語の世界くらいは、これをひっくり返してみたかった。逆転させたかった。

けど、まあ、沢田の成功は稀なケース。
現実は厳しいよな。

沢田文雄あるいは長山春香のように、何か夢中になれるものが見つかればいいのだけど。そうすりゃ、周りの人たち=世間の目などあまり気にならなくなる。

ということで、郷田浩・・・いやあ、酷い男ですが、作り手のワシにとってはおいしいキャラでもある。
彼に男の嫌な部分を表してもらいました^^;;;

郷田浩の言動は『世間の本音』だ。

この郷田浩の本音部分に共感する殿方も少なくなかったりして。
そう考えながら、郷田を描いた。

そんなところへ、こんな記事を見つけた。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170313-00518588-shincho-ent

うん、郷田浩はここに出てくる「吉田沙保里選手を見下したプロデューサ・福田氏」と同じ価値観を持っているかもな。女性はまず容姿。能力や才能、性格は二の次、三の次。そして容姿が世間で言うところの美の基準から外れていると馬鹿にし、女性としての価値はゼロだとし、上から目線で哂う。

もちろん、男全員がそうだとは言わない。(福田氏に反発した男性もいるわけだから)
でもけっこう、よく聞く話。

実力・才能があっても、女性の場合だと容姿が問題にされ、陰で馬鹿にする輩・・・わりと耳にする。

そういえば、今の時期、テレビのニュース番組などではアシスタントの女の子が替わるのお。
かなり歳だろう男性キャスターはそのまんまで、アシスタントの女性が新しい子に替わる。歳食って美の価値が落ちていく女は降ろされるのだ^^; 

今、ニュース番組を担当する女性キャスターっているっけ?(ワイドショーの司会者ならいるけれど)
女子アナはBBAになったら降ろされる。男性はずっとご活躍だけれども。

そう、結局は女の価値は美。BBAになると美が落ちるので、若さも重要視される。

女性の役割は「お花」。
BBAになって枯れていくお花には価値がなくなる。
(なので、福田みすずは花のような生き方はしないと決めた・・・)

美と若さ。
世間が本音の部分で求めている女の価値だ。

なので悪辣ながら男性の本音を正直に表す郷田浩は貴重なキャラなのだ。

郷田は、『ランク・価値の低い者』を見下す。
正直なのだ。

見下している人間と分かり合うこともない。気持ちが通じ合うこともない。
よってハッピーエンドもないし、救いもなく、郷田の章は終わった。

架空の物語世界くらいは救いのある気持ちのいいハッピーエンドであってほしい人も多いだろうけれど、「現実は違うよな」と白けることもあり・・・郷田には現実を背負ってもらうことに^^;

みすずと沢田は、郷田を「どうでもいい人」として忘れるけど、郷田の方は忘れるどころか憎悪に駆られた^^;

ま、郷田にどう思われようが、みすずにはもう関係のないことで、郷田自身の問題じゃ。

それに「女は容姿だ。美人でないと価値はない、ブスは論外」と思ってしまう男性がいるのは仕方ないこと。
これはもう好き嫌いの感覚なのだ。その人の価値観。

女性が「オタクは嫌い、オタクは論外」というのと一緒。

上野千鶴子氏が「オタクは滅びっていってほしい」と思い、それを公に発言するのも自由。

なので男性が「ブスは滅びっていってほしい」と言うのも仕方ない。

女性も、自身が『気持ち悪い』と感じる男には近寄ってきてほしくない。
ならば男性も、自身が『ブス』と感じる女には近寄ってきてほしくない。

郷田浩が福田みすずをどう思おうと自由。

彼の罪は「みすずを利用しようとしたこと」、それ一点だ。でも利用するに至らず、離れることになった。それが郷田浩と福田みすずにとって不幸回避となった。

実際、世間の価値観から逃れるのは難しい。
福田みすず、沢田文雄、長山春香はレアケースだろう。そこは物語の中の「こうであるといいな」という夢の部分・理想部分である。けど、不可能ではない。

で、世間の価値観と共にする郷田のような男性には、ぜひ美人をモノにしてほしい。
とくに結婚には、妥協してほしくないものよの~。

周りはきっと「妥協しろ、じゃないと彼女はできないぞ、結婚できないぞ」と言うだろうけれど。

でも、妥協すれば、きっと心の中は・・・「俺はこの程度の女としかつきあえないのか、俺はこの程度なのか」と、自分の価値まで落ちた気分になるだろう。

相手を見下し、自分をも見下すことになる。
不幸への入り口じゃ。

まあ、ワシ個人的には・・・才能ある女性を容姿で見下す男性って、相当にカッコ悪いと思うが。
で、見下し行為をジョークや哂い話でやっちゃうので、自分のカッコ悪さを自覚できないんだよなあ・・・つうか、自覚したくないんだろう^^; 

どこか劣等感があるんだろうな。郷田浩のように。

プライドだけは高いけど、劣等感も凄まじい。

ま、こういった男性からは退散退散、できるだけ関わらないことだ。
見下し行為で自分の劣等感を癒そうという人間と関わると、碌なことにはならない気がする。

で、美人さんでも歳食ったら、こういう男には雑に扱われそう。
何せ「女の価値は美」なので、こういった男性は若い女に走るだろう。

というわけで、日本では相変わらず不美人・ブス・BBAは生きにくそう。

郷田浩の言う「調子に乗ったブスは気に食わない」「ブスはおとなしくしていろ」って思っている人、わりといるのでは。(ツイートでもよく見かける)

これは男性に限らず、女性もそう思う事があるようだ。世間の価値観に毒されすぎじゃの^^;

※関連記事
「ブス弄りする底意地悪い人」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2017-02-21  
「えげつない本音・美容整形の果てにあるもの」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
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