「アエラ」編集者がツイッターで「子なし税」を話題にしていた。
「子どもがいない人はそれだけラクをしているのだから、もっと税金を払え。その金を子どものいる人たちへの支援、あるいは社会保障費に充てよう」という考え方について、どう思いますか、というものだ。

以前、森元総理も「子どもを産まない女性の老後を、税金で支援するのはいかがなものか」などという発言をしていたっけ。(なぜ、女だけ問題にする?)

「産めよ増やせよ」じゃないけど、油断していると少子化を嘆く社会はおかしな方向へ行ってしまうかもしれない。

そこで小説「アカガミ」(窪美澄)を思い出した。恋愛や結婚に興味をなくした若者を国ぐるみでサポートし、子どもを産ませようとする話だ。(ただ、この作品・・・自分はさほどおもしろいとは思わなかった)

もう一つは「殺人出産」(村田沙耶香)。10人子どもを産むことを条件に、誰か殺したい人がいたら1人だけ殺せる権利を国から与えてくれるという話。(こちらはおもしろかった)

そう、どちらも少子化に喘ぐ近未来の日本を舞台にし、女性に子どもを産ませるために人権侵害もなんのその、というような社会システムがあるのだ。もちろん非現実的ではあるのだが。

現実に今の日本でやろうとするならば・・・
「独身者および子どもを持とうとしない夫婦は人間として不健全、偏っている、おかしい。それは不幸な生き方だ」とし、世間が「結婚し子どもを産み育てるのが正しい生き方、幸せな生き方、まともな生き方」という空気を再び作り上げ、抑圧していく方法が一番手っ取り早いだろうな。

で、女性については若いうちにたくさん子どもを産んでもらおうということで、やはり若さに価値を置くようになるだろう。

ま、すでに今現在もそうらしいけどな。
婚活市場では20代はモテモテ、30代になるとガクンと落ち、30後半は苦戦を強いられるようじゃ。

そして再び女性のクリスマスケーキ化(=女は25歳を過ぎると価値がなくなる)を浸透させるかも^^;

いやあ、エグイ社会よのお。

そうそう、エグイといえば・・・今もなお心に残っているのは、鳥越俊太郎氏の20歳の女子大学生に言ったとされる「処女だと病気だと思われるよ」の、「処女は病気発言」だ!

都知事選の鳥越氏演説の現場では、こんなプラカードを持った人も現れたくらいだ。


けど「20歳にもなって処女はおかしい」というのは鳥越氏だけではないようだ。
ちょっと前に、公の機関が「初体験(初エッチ)年齢のアンケート」をとり、その平均年齢が想像以上に遅かったことで騒いでいた。恋愛していない若者がいる、エッチもしてない、これは大変とばかりに。

世間では「恋愛=エッチすること」であり、「恋愛=エッチしない若者がいるのは大変問題だ」と思っているらしい。

もちろん早ければ早いほどいいというものでもないようで、さすがに小中学生でされるのは困るだろう。高校生でも早いと考えている向きもある。せめて18歳から。
で、どうやら理想は19歳。それが望ましいようだ。20歳過ぎでは遅いみたい?

わ・・・気持ち悪い。社会はついに初体験年齢も気にするようになり、19歳か20歳でエッチしてほしいようなのだ。
20歳過ぎても童貞・処女だと、鳥越氏のように「病気」「おかしい」「治さねばならない」と言いたげだった。

そこで、ちらっと想像してしまった。
もしも鳥越氏のような人が権力を握ったら・・・