「逃げ恥」に学ぶ人間関係・情と対価(損得勘定) [家族・夫婦・子育て・子なし]
「逃げ恥」・・・ワシはドラマ最終回しか見てないのだけど、なかなかに考えさせられた。
各著名人も「逃げ恥」について、いろいろ言及しているようだ。
まずは上野千鶴子氏のツイート紹介。
https://twitter.com/ueno_wan/status/811879074675077120
【「逃げ恥」の契約にセックスが含まれないのは不自然。結婚とはセックス契約なのに。一回当たりのセックスコストを誰が誰に支払うのか?家事と同じくセックスも「愛の労働」、しかも「無償労働」だ。こういう議論はほぼ「不払い労働論」で尽くされている。おぞましい議論だが、現実がおぞましいのだ】
ん? 夫婦間のセックスにもコストが発生し、対価を払えというのか。
この文章だと、夫が妻に何かしらの対価を払えと受け取れる。
けど、妻が誘ってきた場合は妻が対価を支払うべきだろう。それが男女平等というものだ。
子づくりの場合も、子どもが欲しい方が対価を支払えということじゃな。
上野さんの理想の夫婦は、なかなかにエグイの。
愛の労働かあ・・・。
まあ、上野さんが心配せずともセックスレス夫婦は多いので、夫に『体』を搾取されている妻は少ないと思うぞ。
乙武君が言うように、妻が母となった時、もう女として見られなくなるという男性は多いらしいから。
それはともかく、上野さんの考えは「セックスをお願いするほうは対価を支払え」「支払わないのは、搾取していることになる」ということなんだよな?
ならば、前記事で話題にしたオタキング・岡田斗司夫氏の愛人問題は、上野さん的にはOK、むしろ推奨したいくらいの行いだよな。
だって、岡田氏はセックスするのにちゃんと交渉し、女性がOKすれば対価を支払っているのだから。
(ただ岡田氏は「若い子は騙して抱いて終わったら捨てろというのが僕の中の法則」と発言しているようで、対価を支払わず、騙すこともあるのかも?)
※関連記事
「女は犬・オタキング岡田斗司夫の愛人騒動」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28
いやあ、それにしても・・・エッチコストを支払えって、売春買春みたいだね^^;
愛も金次第ってか。
そこで、砂鉄氏のツイートを紹介しよう。
https://twitter.com/satetu4401/status/801210635878969345
【金と言う物は才能や健康を失っても手元に残り続けるものである。つまり「金だけの付き合い」というものは、意外な事に才能や健康を失った後でも続くし、精神を痛めて優しさを失った後でさえ続くのである。正直、愛だとか友情だとかフワフワした得体の知れない関係より遙かに頑丈で信頼できる】
そういえば、平安寿子の小説「グッドラックららばい」でもメインキャラ=立子もこう言い放っていたっけ。
【わたしは幸せになりたいなんて思ったことは一度もない。金持ちになりたいということだけだ。幸せなんてワケの分からないものは要らない】
立子の結婚相手の条件は「金持ちであること」、この一点だけ^^;
あとはどうでもいいのだ。(・・・いや、でも面白かったよ、この小説)
で、たしかに、お金が一番信用できるのかも?
愛はいつの間にか消えるが、お金は・・・まあ、その国の信用がなくなれば紙屑になることはあるけれど、愛よりは、まだ確かなもの・・・かもしれない。
うん、情とか幸せとかって、気の持ちよう。
つまり、とっても不安定なものだ。
えげつない世の中、人間不信の世の中、愛よりもお金と考える人が増えるのは当然かもしれない。
上野さんもそういう考えなのだろうか。
いやね、健常児のいる家庭に較べて、障碍児を持った家庭の離婚率は6倍とか、そういった話を聞くとね・・・
一番の味方であるはずの家族も信用できないケースがあるのだなと。
けど、お金さえあれば、そういった「不幸」も何とかなる?
お金のあるなしは結局、「余裕」が持てるかどうか、であり、お金があれば人もそう簡単に離れないのかもしれない。
うん、ドラマ「逃げ恥」の「好きの搾取」についても考えさせられてしまったよなあ。
これでますますオタキング岡田氏のやったことはそう悪いことではないと思ってしまった。
少なくとも、↓下の記事に書いてあるような・・・結婚を保障と捉え、相手からの搾取しか考えていない男よりは・・・。
(ま、女性も同じく、結婚を人生の保障と捉え、相手からの搾取を考える人もいるだろうからお互い様だけど)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6609_2.phpより一部転載。
【「ブスは3日で慣れる」を信じるか、「どんな女性もどうせ歳を取って劣化する」と割り切るか、「歳を取れば穏やかな性格になるだろう」と楽観視するか、「家事は自分が頑張ればいい」と引き受けるか。どれならできそうなのか、本気で考えてみてほしい。
1つ言っておきたいのは、「そういう女性しかいないなら結婚なんてしなくていい」なんて突っぱねると後悔する、ということ。あなたがこの先の人生で、仕事、人間関係、趣味とお金、健康のいずれかでつまずいたとき、必ずや「結婚しておけばよかった」と思うときが来るからだ】
転載終わり。
・・・ということで、女に若さと容姿に価値を置く男も、そこは何とか妥協し、人生(仕事、人間関係、お金と趣味、健康)でつまずいた時の保険に結婚したほうがいい、とこの筆者は言うのだが・・・
今ではもう結婚は何の保障にもならないかもよ。
だって・・・↓奥さんからこんなふうに思われたりすることもあるようだから。
「ダンナ・デスノート―今すぐ死んでほしい」
http://danna-shine.com/
(もち、奥さん側も・・・こんなことを思いながら続ける結婚生活って・・・不幸に思えてしまうのだが)
ま、人生の保障目的で結婚した男性は、結婚生活で何か大きな問題(子どもが障害を抱えたとか、奥さんが重篤な病に陥ったとか)が起きたら逃げちゃうかも。
うむ、やはり愛(情)なしで人間関係は持続できない気もする。
そこで、この記事を紹介。
「逃げ恥は市場競争的な世界からの逃避のすすめである」
http://globis.jp/article/4946より一部転載。
【結婚と契約結婚の最大の違いは、2人の関係に、市場で取引され得ない「代替不可能な要素」が介在するかどうかの違いということが強調される。それは、相手がどれだけ「利用価値があるか」という要素が取り除かれた、純愛である。
市場競争では、「利用価値」でその人が判断される。だから、恋活や婚活が市場競争にようになってしまうと、相手のことを自分の「手段」として見てしまいがちになる。
例えば、女性が結婚相手の男性を選ぶ際に、相手の収入(自分を養えるか)、学歴や勤務先(将来性や安定性はどうか)、容姿(友達に紹介して恥ずかしくないか)などの項目だけで選ぶとしたら、それは相手をもっぱら自分の生活の手段としてみなしていることになる。
相手を自分の手段としてのみ使おうとしたり、その逆に自分が誰かの手段として使われることのみを受け入れてしまえば、自分の人間性を傷つけることになる。
「逃げ恥」の主人公は、人間が「利用価値」で評価されるような市場競争から身を引いた。しかし、それにはメリットもあった。
逃げたからこそ、市場取引的な恋愛や結婚によって、人間性を喪失せずに済んだ。さらに、心から大切にしたいと思えるパートナーと出会うこともできた】
転載終わり。
なるほど・・・情がない結婚は、人間性を破壊するかもな。
上野千鶴子氏は「逃げ恥」について「結婚による搾取」「コスト(損得勘定)」「契約」に言及したが、この記事は「情=代替不可能なもの」について言及した。
少なくとも「利用してやろう」という人間関係は幸せをもたらさない気がする。
よく言われるのが・・・
「相手にしてもらおうというよりも、自分が相手に何をしてあげられるか」だと。
ま、自分が何かしてあげたいというような相手に巡り会えるかどうかじゃの。
でも、それも難しかったりするよね^^;
金と情、どっちも必要だな。
お金がなくて余裕がなくなれば、情も減るだろうし。
最初から情のない人間関係は、代替可能なので、これまた長続きしない・・・。
本当に難しいのお。
・・・・・・・・・・
余談。
ぱぷりこ氏の記事も興味深かったぞ。
「あの炎上CMを作った“外圧おじさん”は「逃げ恥」で勉強し直せばいいよ」
https://joshi-spa.jp/640210より
以下、編集転載。
【現状の君は世間(男)から見てマイナスだから変わるべし」という炎上CMのメッセージについて。
炎上に共通しているのは「外部からの“みっともない”という視線をタテマエにして、女に変化を迫る」構造です。
そもそもCMの根幹メッセージは「現状から変わろう。そのために商品を買おう」です。
「現状から変わるために行動しよう」というメッセージ自体は別にいいよ。
問題は「どの現状からどの理想に動くか」という構造です。これは2パターンあります。
・現状に課題があるので、軌道修正してゼロに戻す
・現状に特に課題はないが、より満足が高いものにする
で、炎上したのは全部「マイナスの現状を軌道修正するために行動しろ」というメッセージなんですよね。
・マイナスの現状: 地味な服装で需要がない女、疲れを顔に出す女、電車の中で化粧をする女=外部から見てみっともない女
・あるべき理想: おしゃれで需要がある女、疲れを顔に見せない女、電車の中で化粧をしない女=外部から見てみっともなくない女
・ギャップを埋めるための行動: 服を買う、化粧品を買う、電車の中での化粧をやめる
しゃらくせえ。ま、炎上して当然だよね。
「女は男から見てこうあるべき」という外圧メッセージは、もはや炎上待ったなし案件。
周りを見ていても「女はこうあるべき」という常識や男性からの要望に疲れている女性はすっごく多い】
転載終わり。
なるほど、たしかに。
そこで作家・三秋縋氏のツイートを紹介しておこう。
https://twitter.com/everb1ue/status/797392943531245569より転載。
【色んなメディアによって歪んだ理想を植えつけられた僕たちは、「得る」というよりは「取り戻す」という感覚で幸福を追い求めている気がする。はじめに「欠けた存在」としての自分があり、それを「あるべき姿」に近づけていく。何も知らなければゼロから出発できるが、僕らはマイナスから出発するのだ】
このツイートに対するコメント。以下転載。
【だから私達は「不幸」だと感じられても「幸福」だとはなかなか感じられないのですね】
転載終わり。
ということで・・・
世間(メディア)によって私たちは「マイナスの存在である」と洗脳されているのかもしれない。
で、「これこそがあるべき姿だ」「こうあるべきだ」と求められるものの、自分はその姿に程遠く、近づけようとしてもなかなか難しく、どうしても努力する気が起きなかったり・・・で、劣等感を植えつけられ、不幸な感覚に陥ってしまうのかもしれない。
そんなことを考えながら、自分も物語を綴っているのであった。
世間の価値観から自由になれるといいよね。
・・・・・・・・・・
短編小説集「縁」番外編のお知らせ。
生きづらい世の中、どう折り合いをつけて生きていけばいいのか、劣等感をどう飼いならせばいいのか、これが物語の共通テーマです。
「蝉―僕のランク」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-05
※あらすじ→学校で下位ランクの『僕』、最下層女子『長山春香』に何を思う。
学園もの、うむ、ちょい辛め、シリアスで重いけど救いはあるのじゃ。
「あだ名―中秋の名月」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-14-3
※あらすじ→白井月子が自分のランクを守るために犠牲にしたのは・・・
テーマはイジメ。己の容姿に劣等感を抱える月子が犯した罪とは。
「豚草―腐女子の誇り」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-19
※あらすじ→中学時代、下位ランクだった長山春香、白井月子、そしてもう一人「モヤシ」こと八島麗華の話。彼女は、長山春香を犠牲にした中学時代をどう想い、今、どうしているのか。
「お彼岸―アラフォー女子の幸せ」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24-1
※あらすじ→恋愛や結婚を一歩引いて見ている冷静な未婚アラフォー女子が主人公。果たして彼女は勝ち組なのか負け組なのか。お彼岸のプチ知識など情報も入った軽く読める物語です。
「血液型診断―栗の節句」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-10-07
※あらすじ→若夫婦のほのぼのハートフルなお話。血液型のこと、重陽の節句(栗の節句)の情報ネタ入り。
なお、短編小説「縁」本編の目次はこちらhttp://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-10-28
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よろしくお願いします。
各著名人も「逃げ恥」について、いろいろ言及しているようだ。
まずは上野千鶴子氏のツイート紹介。
https://twitter.com/ueno_wan/status/811879074675077120
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ん? 夫婦間のセックスにもコストが発生し、対価を払えというのか。
この文章だと、夫が妻に何かしらの対価を払えと受け取れる。
けど、妻が誘ってきた場合は妻が対価を支払うべきだろう。それが男女平等というものだ。
子づくりの場合も、子どもが欲しい方が対価を支払えということじゃな。
上野さんの理想の夫婦は、なかなかにエグイの。
愛の労働かあ・・・。
まあ、上野さんが心配せずともセックスレス夫婦は多いので、夫に『体』を搾取されている妻は少ないと思うぞ。
乙武君が言うように、妻が母となった時、もう女として見られなくなるという男性は多いらしいから。
それはともかく、上野さんの考えは「セックスをお願いするほうは対価を支払え」「支払わないのは、搾取していることになる」ということなんだよな?
ならば、前記事で話題にしたオタキング・岡田斗司夫氏の愛人問題は、上野さん的にはOK、むしろ推奨したいくらいの行いだよな。
だって、岡田氏はセックスするのにちゃんと交渉し、女性がOKすれば対価を支払っているのだから。
(ただ岡田氏は「若い子は騙して抱いて終わったら捨てろというのが僕の中の法則」と発言しているようで、対価を支払わず、騙すこともあるのかも?)
※関連記事
「女は犬・オタキング岡田斗司夫の愛人騒動」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28
いやあ、それにしても・・・エッチコストを支払えって、売春買春みたいだね^^;
愛も金次第ってか。
そこで、砂鉄氏のツイートを紹介しよう。
https://twitter.com/satetu4401/status/801210635878969345
【金と言う物は才能や健康を失っても手元に残り続けるものである。つまり「金だけの付き合い」というものは、意外な事に才能や健康を失った後でも続くし、精神を痛めて優しさを失った後でさえ続くのである。正直、愛だとか友情だとかフワフワした得体の知れない関係より遙かに頑丈で信頼できる】
そういえば、平安寿子の小説「グッドラックららばい」でもメインキャラ=立子もこう言い放っていたっけ。
【わたしは幸せになりたいなんて思ったことは一度もない。金持ちになりたいということだけだ。幸せなんてワケの分からないものは要らない】
立子の結婚相手の条件は「金持ちであること」、この一点だけ^^;
あとはどうでもいいのだ。(・・・いや、でも面白かったよ、この小説)
で、たしかに、お金が一番信用できるのかも?
愛はいつの間にか消えるが、お金は・・・まあ、その国の信用がなくなれば紙屑になることはあるけれど、愛よりは、まだ確かなもの・・・かもしれない。
うん、情とか幸せとかって、気の持ちよう。
つまり、とっても不安定なものだ。
えげつない世の中、人間不信の世の中、愛よりもお金と考える人が増えるのは当然かもしれない。
上野さんもそういう考えなのだろうか。
いやね、健常児のいる家庭に較べて、障碍児を持った家庭の離婚率は6倍とか、そういった話を聞くとね・・・
一番の味方であるはずの家族も信用できないケースがあるのだなと。
けど、お金さえあれば、そういった「不幸」も何とかなる?
お金のあるなしは結局、「余裕」が持てるかどうか、であり、お金があれば人もそう簡単に離れないのかもしれない。
うん、ドラマ「逃げ恥」の「好きの搾取」についても考えさせられてしまったよなあ。
これでますますオタキング岡田氏のやったことはそう悪いことではないと思ってしまった。
少なくとも、↓下の記事に書いてあるような・・・結婚を保障と捉え、相手からの搾取しか考えていない男よりは・・・。
(ま、女性も同じく、結婚を人生の保障と捉え、相手からの搾取を考える人もいるだろうからお互い様だけど)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6609_2.phpより一部転載。
【「ブスは3日で慣れる」を信じるか、「どんな女性もどうせ歳を取って劣化する」と割り切るか、「歳を取れば穏やかな性格になるだろう」と楽観視するか、「家事は自分が頑張ればいい」と引き受けるか。どれならできそうなのか、本気で考えてみてほしい。
1つ言っておきたいのは、「そういう女性しかいないなら結婚なんてしなくていい」なんて突っぱねると後悔する、ということ。あなたがこの先の人生で、仕事、人間関係、趣味とお金、健康のいずれかでつまずいたとき、必ずや「結婚しておけばよかった」と思うときが来るからだ】
転載終わり。
・・・ということで、女に若さと容姿に価値を置く男も、そこは何とか妥協し、人生(仕事、人間関係、お金と趣味、健康)でつまずいた時の保険に結婚したほうがいい、とこの筆者は言うのだが・・・
今ではもう結婚は何の保障にもならないかもよ。
だって・・・↓奥さんからこんなふうに思われたりすることもあるようだから。
「ダンナ・デスノート―今すぐ死んでほしい」
http://danna-shine.com/
(もち、奥さん側も・・・こんなことを思いながら続ける結婚生活って・・・不幸に思えてしまうのだが)
ま、人生の保障目的で結婚した男性は、結婚生活で何か大きな問題(子どもが障害を抱えたとか、奥さんが重篤な病に陥ったとか)が起きたら逃げちゃうかも。
うむ、やはり愛(情)なしで人間関係は持続できない気もする。
そこで、この記事を紹介。
「逃げ恥は市場競争的な世界からの逃避のすすめである」
http://globis.jp/article/4946より一部転載。
【結婚と契約結婚の最大の違いは、2人の関係に、市場で取引され得ない「代替不可能な要素」が介在するかどうかの違いということが強調される。それは、相手がどれだけ「利用価値があるか」という要素が取り除かれた、純愛である。
市場競争では、「利用価値」でその人が判断される。だから、恋活や婚活が市場競争にようになってしまうと、相手のことを自分の「手段」として見てしまいがちになる。
例えば、女性が結婚相手の男性を選ぶ際に、相手の収入(自分を養えるか)、学歴や勤務先(将来性や安定性はどうか)、容姿(友達に紹介して恥ずかしくないか)などの項目だけで選ぶとしたら、それは相手をもっぱら自分の生活の手段としてみなしていることになる。
相手を自分の手段としてのみ使おうとしたり、その逆に自分が誰かの手段として使われることのみを受け入れてしまえば、自分の人間性を傷つけることになる。
「逃げ恥」の主人公は、人間が「利用価値」で評価されるような市場競争から身を引いた。しかし、それにはメリットもあった。
逃げたからこそ、市場取引的な恋愛や結婚によって、人間性を喪失せずに済んだ。さらに、心から大切にしたいと思えるパートナーと出会うこともできた】
転載終わり。
なるほど・・・情がない結婚は、人間性を破壊するかもな。
上野千鶴子氏は「逃げ恥」について「結婚による搾取」「コスト(損得勘定)」「契約」に言及したが、この記事は「情=代替不可能なもの」について言及した。
少なくとも「利用してやろう」という人間関係は幸せをもたらさない気がする。
よく言われるのが・・・
「相手にしてもらおうというよりも、自分が相手に何をしてあげられるか」だと。
ま、自分が何かしてあげたいというような相手に巡り会えるかどうかじゃの。
でも、それも難しかったりするよね^^;
金と情、どっちも必要だな。
お金がなくて余裕がなくなれば、情も減るだろうし。
最初から情のない人間関係は、代替可能なので、これまた長続きしない・・・。
本当に難しいのお。
・・・・・・・・・・
余談。
ぱぷりこ氏の記事も興味深かったぞ。
「あの炎上CMを作った“外圧おじさん”は「逃げ恥」で勉強し直せばいいよ」
https://joshi-spa.jp/640210より
以下、編集転載。
【現状の君は世間(男)から見てマイナスだから変わるべし」という炎上CMのメッセージについて。
炎上に共通しているのは「外部からの“みっともない”という視線をタテマエにして、女に変化を迫る」構造です。
そもそもCMの根幹メッセージは「現状から変わろう。そのために商品を買おう」です。
「現状から変わるために行動しよう」というメッセージ自体は別にいいよ。
問題は「どの現状からどの理想に動くか」という構造です。これは2パターンあります。
・現状に課題があるので、軌道修正してゼロに戻す
・現状に特に課題はないが、より満足が高いものにする
で、炎上したのは全部「マイナスの現状を軌道修正するために行動しろ」というメッセージなんですよね。
・マイナスの現状: 地味な服装で需要がない女、疲れを顔に出す女、電車の中で化粧をする女=外部から見てみっともない女
・あるべき理想: おしゃれで需要がある女、疲れを顔に見せない女、電車の中で化粧をしない女=外部から見てみっともなくない女
・ギャップを埋めるための行動: 服を買う、化粧品を買う、電車の中での化粧をやめる
しゃらくせえ。ま、炎上して当然だよね。
「女は男から見てこうあるべき」という外圧メッセージは、もはや炎上待ったなし案件。
周りを見ていても「女はこうあるべき」という常識や男性からの要望に疲れている女性はすっごく多い】
転載終わり。
なるほど、たしかに。
そこで作家・三秋縋氏のツイートを紹介しておこう。
https://twitter.com/everb1ue/status/797392943531245569より転載。
【色んなメディアによって歪んだ理想を植えつけられた僕たちは、「得る」というよりは「取り戻す」という感覚で幸福を追い求めている気がする。はじめに「欠けた存在」としての自分があり、それを「あるべき姿」に近づけていく。何も知らなければゼロから出発できるが、僕らはマイナスから出発するのだ】
このツイートに対するコメント。以下転載。
【だから私達は「不幸」だと感じられても「幸福」だとはなかなか感じられないのですね】
転載終わり。
ということで・・・
世間(メディア)によって私たちは「マイナスの存在である」と洗脳されているのかもしれない。
で、「これこそがあるべき姿だ」「こうあるべきだ」と求められるものの、自分はその姿に程遠く、近づけようとしてもなかなか難しく、どうしても努力する気が起きなかったり・・・で、劣等感を植えつけられ、不幸な感覚に陥ってしまうのかもしれない。
そんなことを考えながら、自分も物語を綴っているのであった。
世間の価値観から自由になれるといいよね。
・・・・・・・・・・
短編小説集「縁」番外編のお知らせ。
生きづらい世の中、どう折り合いをつけて生きていけばいいのか、劣等感をどう飼いならせばいいのか、これが物語の共通テーマです。
「蝉―僕のランク」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-05
※あらすじ→学校で下位ランクの『僕』、最下層女子『長山春香』に何を思う。
学園もの、うむ、ちょい辛め、シリアスで重いけど救いはあるのじゃ。
「あだ名―中秋の名月」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-14-3
※あらすじ→白井月子が自分のランクを守るために犠牲にしたのは・・・
テーマはイジメ。己の容姿に劣等感を抱える月子が犯した罪とは。
「豚草―腐女子の誇り」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-19
※あらすじ→中学時代、下位ランクだった長山春香、白井月子、そしてもう一人「モヤシ」こと八島麗華の話。彼女は、長山春香を犠牲にした中学時代をどう想い、今、どうしているのか。
「お彼岸―アラフォー女子の幸せ」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24-1
※あらすじ→恋愛や結婚を一歩引いて見ている冷静な未婚アラフォー女子が主人公。果たして彼女は勝ち組なのか負け組なのか。お彼岸のプチ知識など情報も入った軽く読める物語です。
「血液型診断―栗の節句」http://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-10-07
※あらすじ→若夫婦のほのぼのハートフルなお話。血液型のこと、重陽の節句(栗の節句)の情報ネタ入り。
なお、短編小説「縁」本編の目次はこちらhttp://hayashi-monogatari.blog.so-net.ne.jp/2016-10-28
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わかります。
お金…
和江さんのお話にもありましたが、お金に余りにも執着するのってさもしいですよね。
和江さんの弟のお嫁さん。
夫の親のお金を当てにするなと言いたくなりました。
本来、自分達が生活する分は自分達が稼ぐのが筋ですよね。
親からのものは天から降って来たものであって、来て当たり前のものではない
そう考えないから間違うのだと思いました。
大体、お姑さんと暮らさなくて済んでいるのだから、お義姉さんに「ありがとう」ですよね。
それすらそろばんの上に乗せて削り取ろうとするんだから飽きれます。
弟もだらしがないですね。
お嫁さんをたしなめられないなんて。
あのお嫁さんの偉そうな態度、読んでいて腹立たしかったです。
そう思わせるやり取り、またしても作家さんの巧みな技術ですね。
結婚のこと…
そうですね。
情が無い結婚は人間性を破壊させますよね。
本当にそうだと思います。
何かしてあげたいと思える相手…
自分の人間性が豊かになると、同じ相手でもそう思える様に変わったりするのかも知れません。
相手の人間性プラス自分の人間性
あと、相性とかバランスとかですかね。
ああ、それが“縁”ですね。
by 瑠璃色 (2017-01-05 19:29)
真理子は完全に娘にフルコミットしてしまい、周りが見えなくなってますね^^;
それは四条夫妻にも通じてます。彼らもお互いにフルコミットし合い、周りから距離を置いてます。
真理子視点の話もいずれアップします^^
真理子は真理子なりに子どものことを思っているんですが。
和江とは相性が悪く、ややもすると敵視したり、見下したりしてしまいがち。
それが和江にも分かってしまうので、険悪な関係になってしまいますね。
親戚なので、縁を切ることもできず。
「逃げ恥」・・・タイトルの意味がここにきて、やっと分かりました^^;
いやあ、ほんと人間関係も、縁、ですよね。
by ハヤシ (2017-01-05 21:54)
>真理子は完全に娘にフルコミットしてしまい、周りが見えなくなってますね^^;
★子供想いは美しいことと言われがちですけど、それで酷い目に遭っている人もいるんですね。
>それは四条夫妻にも通じてます。彼らもお互いにフルコミットし合い、周りから距離を置いてます。
★若いうちはそれでも行けちゃうんですけどね。
年を重ねてくるとそれが上手くいかなくなってくるんですよね。
>真理子視点の話もいずれアップします^^
真理子は真理子なりに子どものことを思っているんですが。
★なるほど!さすが脇役を蔑ろにしないハヤシさん。
キャラクターに対して配慮が違います。
その人の行動の裏の必然を知れば同情や共感が生まれますよね。
>和江とは相性が悪く、ややもすると敵視したり、見下したりしてしまいがち。
★和江って真っ直ぐで良い人だと思うんだけどな…
言い方とかがキツイから誤解されがちなのかな。
>それが和江にも分かってしまうので、険悪な関係になってしまいますね。
親戚なので、縁を切ることもできず。
★真理子さん、そういうのを隠そうともしないんですものね。
喧嘩売ってますよね。
自立という感覚が薄しい、公平性にも欠けるし、がめつくて苦手です。
>「逃げ恥」・・・タイトルの意味がここにきて、やっと分かりました^^;
★私、この作品は漫画を試し読みで最初の方だけ見ました。
ドラマは見たことがないんです。
あの有名なドラマだということも読んだ後で知りました。
でも、漫画を読んだ時、この夫婦は成功する!と思いました。
夫婦にはああいうビジネスライク的な視点も必要で、二人ともそれを持っていたからです。
ただ、お互いに元々ストライクには入っていたんでしょうね。
「逃げるは恥だが役に立つ」の意味、私にはまだわからないです。
彼等は特に逃げてはいないと思うからです。
冷静に結婚を科学してるって感じです。
結婚が上手くいかない人にお手本になる考え方だと思います。
>いやあ、ほんと人間関係も、縁、ですよね。
★そうですね。
ハヤシさんとお会いできた縁に私は感謝しています。
いつも良い作品と、コメントへのご配慮をありがたく思っています。
by 瑠璃色 (2017-01-06 11:04)
私のほうこそ、いろいろと励みになるコメントをいただき、感謝です。
これもネットのおかげですね^^
縁も、こういった社会環境で違ってきてしまうんですね。
>「逃げ恥」の意味
なるほど、たしかに彼らは別に逃げていないかも。
そう見えるのだとしたら、世間の価値観にどっぷり浸かっていると受け取ったほうがいいのかも。
記事で紹介した「逃げ恥は市場競争的な世界からの逃避のすすめである」の「逃避」も、そういう意味で使われているのかもしれませんね。
逃避せずに戦っても幸せになれず、かえって不幸を招くかも。
いや、そもそも「戦う」って何だろうとも思ってしまいますが^^;
冷静に科学するって必要なことですよね。
by ハヤシ (2017-01-06 11:49)